第9回シンポジウムを開催しました。           2015年9月2日

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 平成27年7月30日、南信州・飯田産業センターにおいて、「健康長寿社会を目指して ~長寿日本一の強みを活かした地域づくり~」をテーマに、伊那谷アグリイノベーション推進機構第9回シンポジウムを開催しました。参加者は、一般の方々および企業、官庁、行政、教育研究機関の約110名でした。
 向山孝一機構長(KOA株式会社代表取締役会長)と飯田市 佐藤健副市長、飯田メディカルバイオクラスター 萩本範文代表の冒頭の挨拶の後、健康に生きるための食機能やそれを支える地域づくりについて講師4名と企業1社からのお話を聴き、身近な問題として一緒に考えてみる良い機会となりました。

 向山機構長は、開会挨拶の中で、今回のシンポジウムでは、健康長寿をテーマに、信州大学農学部からだけでなく、飯田女子短期大学や長野県看護大学、地域で直接医療に携わっている病院、食品業界からメディカルの分野へ枠を超えて参入されている企業からのお話をお聞きし、次回シンポジウムでは、地域社会からの事例等をお聞きし、この情報交流を“伊那谷モデル”として進め、新しい力が結集されて推進していけたらとお話されました。

 飯田市 佐藤健副市長は、開催地挨拶の中で、行政としての「健康長寿」課題に対する取り組みの一つとして『地域健康ケア計画』を推進し、地域住民が地域食材の認識を深め、関心を持って食べること等の食育の必要性をお話しされました。

 飯田メディカルバイオクラスター 萩本範文代表(多摩川精機株式会社代表取締役副会長)は、共催者挨拶の中で、当機構との協働について、食品産業や医療機器産業から口腔関連産業やバイオ関連産業へ、また、健康・食に直結している農業へ、新しい産業の創出についてお話しされました。

 福村直毅先生(健和会病院総合リハビリテーションセンター長)は、「健康長寿社会を支える食機能」と題して、食べる機能(食機能)、その中でも嚥下(えんげ)(ものの飲み込み)機能について、嚥下障害が肺炎死や窒息死の原因の一つであること、嚥下障害治療の現状、多くの人が直面しうる嚥下障害との付き合い方についてわかり易くご講演されました。

 安富和子先生(飯田女子短期大学家政学科教授)は、「咀嚼(そしゃく)の意識を高めるために」と題して、幼稚園、小学校での咀嚼指導の実例と健康効果を紹介して、咀嚼回数が将来にわたって健康な生活を送るための基礎となる可能性があること、しっかりと噛むことの大切さについてご講演されました。

 安田貴恵子先生(長野県看護大学看護学部長教授)は、「健康長寿社会と地域づくり -ヘルスプロモーションの視点から-」と題して、“健康的な地域社会”を皆で創るためには、人と人とのつながり(異世代交流、異文化交流、多職種連携など)が不可欠であることをご講演されました。

 休憩時間とシンポジウム終了後には、旭松食品株式会社による介護食の試食会も行われました。
 休憩時間とシンポジウム終了後には、旭松食品株式会社による介護食の試食会も行われました。

 片山茂先生(信州大学農学部准教授)は、「機能性食品因子による老化予防」と題して、環境要因による老化は生活習慣の向上によって抑制されること、食品によるアンチエイジング、特に“認知”機能への大豆の効果とケール青汁の見た目の効果についてご講演されました。

 野田宏潤氏(旭松食品株式会社商品設計部)は、「介護食の状況と今後の事業展開について」と題して、介護食の多様化(見た目や使いやすさの向上)、介護現場の多岐化に対応した事業展開についての紹介がありました。

終了後、講師の先生方と一緒に。(左より、中村副機構長(信州大学農学部長)、福村直毅先生、片山茂先生、安富和子先生、安田貴恵子先生、野田宏潤氏、向山機構長)    
終了後、講師の先生方と一緒に。(左より、中村副機構長(信州大学農学部長)、福村直毅先生、片山茂先生、安富和子先生、安田貴恵子先生、野田宏潤氏、向山機構長)    

【長野県地域発元気づくり支援金活用事業】