”手作りジャム、シカ肉でハム作り” 伊那谷アグリイノベーション推進機構 第5回シンポジウムを開催しました

                                         2013年12月20日
 平成25年12月18日、信州大学農学部において、”手作りジャムに挑戦””シカ肉でハム作りに挑戦”をテーマに伊那谷アグリイノベーション推進機構第5回シンポジウムが開催されました。伊那谷アグリイノベーション推進機構設立準備会時代から数えて第5回目となり、10月23日に推進機構が設立されてから初のシンポジウムとなりました。機構長の向山孝一KOA(株)代表取締役会長の開会挨拶に続き、関東経済産業局地域経済部地域振興課 白井憲一課長補佐から来賓挨拶をいただいた後、4名の講師がジャム作りとシカ肉利用の講演を行いました。産学官各界からと上伊那農業高校の生徒および農学部の学生約220名の参加者で会場の農学部30番教室はほぼ満席となりました。
 最初の講演では、大谷元 信州大学農学部副学部長、伊那谷アグリイノベーション推進機構専務理事が「豚肉と鹿肉でプレスハムとソーセージを造る」と題し、肉加工の目的と加工処理方法の科学的意味合いの解説の後、来月の体験講座で実習する豚肉と鹿肉のプレスハムの加工手順の説明をしました。
 次に中村篤 信州大学農学部技術専門職員が「りんごとブルーベリーを用いたジャム製造」と題し、農学部で製造しているジャムの加工方法の実際とポイントを豊富な写真で詳しく紹介しました。
 3番目の講演では、河原誠一 (株)サンクゼール品質管理部長から「少量多品種生産と加工原料の地元との取り組み」と題し、本社・工場が長野県飯綱町に所在する(株)サンクゼールのジャム、ワイン他の食品製造販売と全国展開している直営販売店舗の事業紹介の後、ルバーブやりんごなど加工原料を地元生産者、飯綱町と(株)サンクゼールの三社トライアングルにより品質にこだわりつつ生産量をアップした事例などの紹介がありました。会場からは、真摯な事業展開の素晴らしさにその秘訣に迫る質問が相次いでありました。
 最後の講演は、長谷部晃 ざんざ亭代表が「鹿一頭の有効利用の可能性」と題し、冒頭に長野県で毎年約3万頭捕殺される鹿のうち伊那市では約10%が捕殺され、食として利用されるのはわずかでほとんどが廃棄されている現状の説明があり、鹿一頭を有効利用するために、オーナーシェフとして実体験し工夫してきた、食用となる部位ごとの調理方法について具体的な紹介がありました。会場からは調理方法や鹿利用の課題など活発な質疑の応酬があり、質問に答える形で講師がノウハウの公開に前向きな姿勢を示すと会場からは感嘆の声が上がりました。
 シンポジウム終了後に信州大学農学部生協食堂で行われた交流会には、約40名の参加者があり、ざんざ亭の各種の鹿肉料理の試食を行いました。

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